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婦人科
 

子宮頸がん検査について

子宮頸がんとは?

 


子宮頸がんは、子宮の粘膜にできる「がん」の一種で子宮の入り口(頸部)にできる「がん」です。20〜30歳代の若い女性に増加しています。子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が大きくかかわっています。子宮頸部の細胞に変化が起き、まず異形成という細胞になります。異形成の細胞は治ることも多いですが、一定の頻度で子宮頸がんが発生するので異形成は”前がん病変”とも呼ばれています。

 

子宮頸がん検査はどのようにするの?

1.細胞診

1.1 細胞診とは
細胞診は「がんを疑うような異常な細胞がないかどうか」を調べる検査で、細胞を顕微鏡で見て診断します。細胞診は、子宮頸がんを診断する各種検査法の中でも非常に有効な方法で以下のようなメリットがあります。
 ・痛みなど苦痛が少ないため、繰り返し検査をすることができる。
 ・炎症か、腫瘍か、腫瘍だったら良性か悪性かなどの質的判断ができる。
 ・がんになる前段階(異形成)から発見することにより早期治療の必要性がわかります。

1.2 細胞診の検査の流れ
細胞診は、以下のように実施します。
(1)子宮頸がんの発生しやすいところの細胞をブラシで軽くこすり取る。細胞の採取にかかる時間はごく短時間で痛みもありません)
(2)こすり取った細胞を硝子板に塗り、色素で染めて顕微鏡で見て調べる。(検査結果は1〜2週間程度で判明いたします) 

1.3 細胞診の検査結果
検査結果はベセスダ分類と呼ばれる分類に従って判定されます。陰性(NILM)の他は再検査や精密検査が必要です。

※以前使用されていたクラス分類(日母分類)は使用されなくなりました。

参考、比較のために日母分類と福岡県産婦人科医会の略式分類を下表に併記しています。
結果 略語 内容 指針 日母
分類
福岡
産婦人科
医会
陰性 NILM 異常なし 次回の定期健診を クラス 
Ⅰ.Ⅱ
陰性
意義不明な
異形
扁平上皮細胞
ASC-US 軽度病変疑い 精密検査の要否確認
HPV検査または細胞診(6ヶ月後)が必要
クラス
Ⅲa
擬陽性 
軽度異形
扁平上皮内病変
LSIL 軽度病変
(軽度異形成を推定)  
要精密検査
(コルポスコピー、生検他)  
クラス
Ⅲa
HSILを除外できない
異形
扁平上皮細胞
ASC-H 高度病変疑い クラス
Ⅲb
高度異形
扁平上皮内病変
HSIL 高度病変
(中-高度異形成推定)
(上皮内がん推定)
クラス
Ⅲb
クラス
陽性
扁平上皮がん SCC 扁平上皮がん クラス
異形腺細胞 AGC 腺異形または
腺がん疑い
クラス
擬陽性
上皮内がん AIS 上皮内がん クラス
陽性
腺がん adeno
carcinoma
腺がん クラス
その他の
悪性腫瘍
Other
malignancy
その他の
悪性腫瘍
クラス
 

2.ヒトパピローマウイルス(HPV)検査

2.1 ヒトパピローマウイルス(HPV)検査とは
ヒトパピローマウイルス(HPV)検査は「子宮頸がんの原因ウイルスに感染していないかどうか」を調べる検査です。性交渉を持ったことのある多くの女性が感染します。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は100以上のタイプがあり、低リスク型と高リスク型に分けられます。子宮頚頸んは、高リスク型と呼ばれる一部の危険性の高いヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされるため、高リスク型のヒトパピロ ーマウイルス(HPV)に感染していないかどうかを調べます。

 ※高リスク型のヒトパピローマウイルス(HPV)
  16型、18型、31型、33型、35型、39型、45型、51型、52型、56型、58型、59型、68型


 ※米国では30歳以上の女性を対象として細胞診とHPV検査の併用による子宮頸がん検診がガイドライン化されています

2.2 ヒトパピローマウイルス(HPV)検査の流れ
 ヒトパピローマウイルス(HPV)検査は、1.2の細胞診と同じ検査の流れになります。
 ※細胞診を同時受診した場合は改めて実施する必要はありません。

2.3 ヒトパピローマウイルス(HPV)検査の検査結果
 検査結果は「陰性」または「陽性」で判定されます。
 「陰性」 →現在のところ子宮頸がんの原因ウイルス(高リスク型)に感染していないと判定します。
 「陽性」 →子宮頸がんの原因ウイルス(高リスク型)に感染していると判定します。
       定期的に細胞診を実施し、がんの前段階もしくはそれ以上 の病変がないかどうかを検査する必要があります。

「細胞診」と「ヒトパピローマウイルス(HPV)検査」を併用して検査することで、将来がんになるリスクがあるかどうかを知ることができます。
 子宮頸がんを早期発見することにより、子宮を摘出せずに外来治療(高周波治療、レーザー治療)することが可能になります。
 

価格について(人間ドック・健康診断時オプション検査)

 【子宮頸部細胞診】                                   3,300円
 【ヒトパピローマウイルス(HPV)検査   5,665円

 

子宮頸がんワクチンについて

日本では年間約10,000人が子宮頸がんを発症し、毎年約2,800人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。 HPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められました。その為、HPVワクチン定期接種の積極勧奨が令和4年より再開されました。最も有効なのは性交渉を開始する前の接種です。
当院では子宮頸がんの原因となるヒトピロマウイルスの感染を予防する9価HPVワクチン「シルガード9」の公費接種受付(完全予約制)を予約のみで行なっております。

 頸がんワクチンについて、およびその有効性についてはコチラ

接種について

接種を希望される場合、まずは婦人科へのご予約をお願いします。
ご来院いただき担当医からワクチンの十分な説明を聞いていただいた上で、接種するかどうか決めていただくことをお勧めいたします。(未成年の方は原則、保護者同伴の上お越しください。)
接種する場合は、ワクチンを取り寄せるため約2週間後以降で第1回目の接種予約を行います。
接種当日は、予診票に記入していただき、担当医の問診の上、ワクチンを接種します。(上腕か大腿部への筋肉注射)通常の予防接種と変わりませんが、注射への不安が強い方はベッド上での接種も可能です。
接種後は30分程度院内に待機していただき経過観察させていただきます。異常がなければ、次回接種の予約を行い、ご帰宅していただけます。
(未成年の方は原則、保護者同伴の上お越しください。)

 接種後の副反応について  

シルガード9(9価HPVワクチン)

 
このワクチンは子宮頸がんの原因となるほとんどのHPV型の9種88.2%に予防効果があることが確認されています。4価ワクチンと比較した国際共同臨床試験では、4価ワクチンと同等のHPV6、11、16、18型の感染予防効果を示した上でHPV31、33、45、52、58型への感染を9割以上減少させました。 又副反応は従来の4価ワクチンと同程度で、海外と日本人集団での差も見られませんでした。令和5年4月より公費負担になりました。
 子宮頸がんやその前がん病変(子宮頸部異形成)についておよびHPVとの関係について
 

ガーダシル(4価ワクチン)

 
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス (HPV: Human Papilloma Virus)の感染が主な原因とされます。約100種類のHPVのうち、子宮頸がん発症の原因とされる10数種類のハイリスク型がありますが、 ガーダシルはこれらのうち最もリスクの高い16型、18型(子宮頸がんの原因となるHPV型の約60~70%)と性感染症の一つである尖圭コンジローマの原因となる6型、11型ををカバーし、発症を予防します。
 

その他検査(自費)

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