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女性外来

「女性外来」とは

 内科や外科、婦人科といった従来の診療科に限定することなく、「女性の心と身体を総合的に診療する」のが女性外来です。「女性専門外来」「レディース外来」など様々な名称があり、最近耳にする機会も増えているのではないかと思います。 「女性の一生を総合的に多方面からサポートする」という理念のもとに、当院の「女性外来」では婦人科医と内科医が連携して診療をおこなっています。もちろん、さらなる専門的な検査や治療が必要な場合は、適切な病院へご紹介いたします。

それぞれのライフステージで起こりやすい症状や病気について

女性は初潮、妊娠、出産、更年期、閉経などのライフステージにより、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌が劇的に変化します。それぞれのライフステージごとに現れる女性特有の症状をみてみましょう。
女性外来_女性のライフステージで起こりやすい病気や不調

 

思春期:エストロゲンの分泌量が増えていく時期

初めての月経(初潮)のころから子宮や卵巣の成熟に伴いエストロゲンの分泌量が増えていきます。初潮のあと数年は排卵が一定しないことが多く、身体もまだ十分に発育していないために月経不順や月経痛など月経に伴う症状が起こることがあります。月経に伴う症状、といっても痛みだけではなく、吐き気、下痢、イライラ、気分の落ち込みなど様々な症状があります。
このような症状で日常生活に支障がでる場合は、「月経困難症」とよばれ治療の対象となります。痛み止めを飲んだらいけないと思ってがまんしている方も多いですが、月経痛はがまんする必要はありません。様々な治療法がありますのでつらい症状があるときは受診しましょう。当院へお母様と一緒に受診されるお子さんも多くいらっしゃいます。

性成熟期:エストロゲンの分泌が盛んな時期

エストロゲンの分泌量は20代でピークを迎え、その後約20年は盛んに分泌されます。それに伴い、月経痛などの月経に伴うトラブルも増えます。 さらに、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などの子宮や卵巣の病気があらわれやすい時期です。特に現代は女性の社会進出やキャリア形成による晩婚、晩産化により妊娠・出産の回数が減っているため、昔の女性に比べて生涯における月経の回数が増えている影響でこのような婦人科の病気が増えているといわれています。
また、この時期は結婚、妊娠、出産といったライフスタイルも大きく変化し、育児と仕事との両立など日々の忙しさから身体の不調のサインが出てもそのまま放置してしまう方も多くおられます。気になる症状がある場合は早めの受診をお勧めします。
 

更年期:エストロゲンの分泌量が急激に減少する時期

エストロゲンの分泌量が減ってきて月経が停止することを閉経といいます。目安としては1年間月経がなければ閉経といえます。閉経の時期をはさんだ前後5年の約10年間(45歳~55歳位)を更年期といいます。この時期は卵巣の機能が徐々に低下し、エストロゲンが十分に分泌されなくなります。そのため自律神経が乱れ、更年期症状があらわれやすくなります。また、この時期は年齢とともに仕事での責任が増える、親の介護など精神的な負担が増える環境も多く、心身ともに体調を崩しやすい時期といえます。
更年期症状としては、のぼせや発汗(ホットフラッシュ)、手足の冷え、動悸などの血管運動神経症状、肩こり、腰痛、関節痛などの運動器障害症状、不安、イライラ感、やる気がおきない、不眠などの精神神経症状などさまざまなものがあります。ただ、このような症状がまったくない方、ある程度の症状はあっても日常生活に支障がない方もたくさんおられます。しかし、日常生活にまで影響を及ぼすほどの症状がある場合は、「更年期障害」あるいは「更年期症候群」とよび治療の対象となります。
治療法としては、ホルモン補充療法や漢方薬などの薬物療法、カウンセリングなどの心身医学療法などがあります。更年期障害へのホルモン補充療法は婦人科が主体で行いますが、漢方薬で軽快する場合も多く、当院女性外来では漢方治療を積極的に取り入れています。
更年期は女性ならば皆経験する時期です。更年期症状は決して恐れるべきものでもありません。更年期を「幸年期」にするべく過ごしましょう。
 

閉経期~老年期:エストロゲンの分泌が乏しくなる時期

エストロゲンは皮膚や粘膜の潤いを保つ、骨の代謝を活発にする、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らし、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やし血管を拡げる作用などがあります。 寿命が大幅に延びることでこのようなエストロゲンの恩恵を受けられない期間が長くなりました。更年期が過ぎて閉経以降は生活習慣病への注意が必要です。
エストロゲンの減少により、LDLコレステロールや中性脂肪などの血清脂質が増加し、動脈硬化のリスクが高まります。そのため、女性では閉経前には少なかった高血圧症、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病、狭心症、心筋梗塞、心不全などの心臓病のほか、脳出血や脳梗塞なども増加します。 また、閉経後にはエストロゲンの減少と比例して骨量も急激に減少し、骨粗鬆症の割合が増えて、骨折のリスクが増大します。蛋白質やカルシウム・ビタミンを多く含んだ食事を取り、ウォーキングなどの有酸素運動や筋トレなどの適度な運動を続けましょう。 さらに女性特有のがん(子宮体がん、卵巣がん、乳がん)は閉経後にも発症が続き(特に子宮体がんは閉経後にリスクが高いことが知られています)、他のがんも加齢とともに増えてきますので、定期的に健診を受けて自分の体の状態を把握しておくことが重要です。
 

「性差医学・医療」について

生殖器(女性では子宮・卵巣など、男性では前立腺・精巣など)の病気は、当然、どちらかの性にのみ発症します。しかし、男女共通臓器の病気にも男女間で発症頻度に違いがあることが広く知られています。例えば、甲状腺の病気や骨粗鬆症は女性に多く、肺がんや食道がんは男性優位です。
近年、“性差を考慮した医学”の重要性が認識されるようになりました。また、性差には生物学的な性差(sex difference)と社会・文化的な性差(gender difference)がありますが、「性差医学」には両方の性差が関係してきます。 性差医学の進歩により、発症頻度の違いだけではなく、病気の原因、症状、診断、治療法や予防法にも性差があることが明らかになってきました。特に女性の場合は、女性の特性を考慮した医療や女性の生涯にわたる健康支援の体制作りの充実が求められています。「女性外来」はまさに「性差医学」に基づいた女性に寄り添った医療の形です。

女性外来 診療科のご案内

担当医

  • 中川 幹子  【 担当科:内科、循環器内科 】
  • 丸山 章子  【 担当科:婦人科 】
  • 安岡 真理子 【 担当科:婦人科 】

診療日

施設名
天神クリニック 丸山 丸山 丸山 中川
丸山
ステーションクリニック 安岡 安岡 安岡 中川
安岡
安岡
  • 完全予約制です。
  • キャンセルをされる場合は、前日の診察時間内までにお願い致します。
  • 保険内の診療となりますので、美容に関するご相談はお受けしておりません。予めご了承ください。
   
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